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東凛大学の解剖室に、住宅地で倒れ死亡していたという60代の女性が運び込まれる。
そんな中、加地大己(瑛太)と羽井彰(佐藤智仁)は、夏井川玲子(矢田亜希子)から解剖の作業に参加するように言われる。
執刀する佐川文彦(時任三郎)から注意を受け、解剖が始まろうとしたとき、解剖を中止しろと言う声がする。
声の主は、女性・野間口静代の夫・功(石橋蓮司)だった。
一度は解剖を承諾したが、妻は解剖を望んでいないし、生き返ることもないからと言う野間口。
佐川が解剖の必要性を説いても納得せず、静代は無言の帰宅をすることに。
そのやりとりを見ていた久保秋佳奈子(石原さとみ)は、真実がわからないままでいいのか、と食い下がるが、野間口の気持ちを変えることはできない。
研究室に戻った大己、石末亮介(生田斗真)、佳奈子、桐畑哲平(遠藤雄弥)、彰が解剖の必要性について意見交換する中、佳奈子はやはりその必要性を感じると主張。
すると大己が、母親を亡くしている佳奈子にこそ伝えられることがあるだろうと言い、5人は野間口の自宅を訪ねることに。
野間口と対面した佳奈子は母親の話を始め、死因がわからないままでいることの辛さを訴えるが、野間口は解剖を拒むばかりだった。
そんな野間口の話を聞き、亮介、哲平、彰は心情を理解できると言うが、佳奈子はやはり納得がいかない。
大己は、そんな佳奈子を連れ、再び野間口宅を訪ねる。
野間口は、最近、静代が犬を飼い始めたこと、自分の好物の肉豆腐を繰り返し作っていたことをふたりに話す。
静代は、スーパーのタイムセールで半額になった牛肉を購入しようとして転倒。
買い物カゴに腹部を強打したことによる内臓破裂で死亡したと推測されるが、その牛肉は野間口に食べさせる物だったんだろう、と大己は言う。
すると、野間口は最近の静代が食品でも日用品でも家にあるのと同じ物を買うのが癖になっていた――亡くなった日も必要もないのに目覚まし時計を買って来た、ボケていたんだ、と寂しそうに話す。
その頃、亮介、哲平、彰は彰の母・鳳子(濱田マリ)が営む店で飲んでいた。
解剖に対する恐怖心が根強く玲子から「法医学を辞めたほうがいい」とまで言われ落ち込む彰を、亮介と哲平が元気付けていた。
その後、研究室にいた大己は、集中力を高めさまざまな状況を考えるうち、あるひとつの結論に至る。
そして、亮介ら4人を連れて、野間口宅にやってくる。
静代が横たわる布団の側に座る野間口に向かい、大己は静代が実は犬が苦手だったこと、目覚まし時計を購入した電器店ですでに腹痛に耐えている様子があったことを話す。
電器店に寄ったのは、スーパーの前だったと確認されているから、転倒の前に腹部を押さえていたことになる。
それは、なぜか?
そこに静代が隠している物があるのではないか、と大己は言う。
その言葉に心を動かされた野間口は、遂に、解剖をして欲しいと口にする。
そして、解剖の準備が始まる。
作業着に着替えた彰を見た玲子は、意地になるのはやめろ、と言うが、彰は遺族のために力になりたいからやらせてほしいと頭を下げる。
解剖を終えると、大己と佳奈子は佐川に呼ばれ、解剖の結果を野間口に伝えに行って欲しいと言われる。
それが、野間口自身の希望だと聞き、早速、野間口宅へ。
まずは、佳奈子が静代の死因を、転倒による脾臓破裂に伴う出血性ショック死であると伝える。
それにうなずく野間口に、大己は、やはり隠していたことがあった、と切り出す。
死因のほかに解剖の結果分かったのは――静代が末期の胃がんであったということだった。
血液から抗がん剤の成分が検出されたことから、本人は病状を知っていたはずだ、と大己。
自らの命が2ヵ月足らずだと知り、苦手だった犬を飼い、扱いが簡易な洗濯機に買い替え、肉豆腐を繰り返し作り、家にいると余計な心配をかけるからと辛い体をおしてダンス教室に行い、とすべて夫である野間口を思い行動していたのだろう、と話す。
さらに、静代が購入した目覚まし時計を操作すると、そこから、録音された静代の声が聞こえてくる。
40年間、夫を起こし続けた静代は、自分がいなくなった後、野間口がひとりで起床できるかが心配で、ボイスレコーダーの付きの目覚まし時計を購入していたのだ。
静代は、ボケていたわけでも物忘れが激しかったわけでもなかったのだ。
横たわる静代の布団に顔を伏せた野間口は、肩を震わせる。
それを見た大己、佳奈子の目からも涙がこぼれ――。