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法医学教室・ゼミ生の加地大己(瑛太)、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)は、佐川文彦(時任三郎)から生きている患者を診ると聞き驚く。
石末亮介(生田斗真)の父親・貴之(名高達男)が経営する病院の患者に、ミュンヒハウゼン症候群――他人の関心を得ようとするあまり、偽の症状を作り出し、通院や入院を繰り返す症状――が疑われるため、その意見書の作成を依頼されたのだ。
患者の主治医から連絡を受けた佐川は、亮介と夏井川玲子(矢田亜希子)を病院へ向かわす。
そんな折、研究室に若い男性がやってくる。
姉に用があるという男性に大己らはピンとこないが、男性は「久保秋佳奈子」と口にする。
なんと、佳奈子の弟・祐樹(冨浦智嗣)だったのだ。
大阪で和食の料理人をしているという祐樹は、佳奈子とは対照的な今時の若者らしいフランクな性格で、すぐに大己らと打ち解ける。
一方、ミュンヒハウゼン症候群が疑われる患者・相馬朋子(志田未来)は中学生で、数日前に、兄・泰人(石田卓也)に付き添われ救急車で搬送されてきた。
主治医によれば、偽膜性大腸炎と診断されたが、血液検査では異常が見られないうえ、半年前から度々通院していて処方された薬を飲んでいるはずなのに、症状が悪化しているという。
朋子に会った亮介は、活発な彼女が自分から病気になっているとは信じられない。
ところが、朋子の血液のデータ解析をした蕪木誠(泉谷しげる)は、血中に偽膜性大腸炎を発症できるペニシリンを見つける。
予想外の結果に佐川らは驚くが、とはいえ、中学生がペニシリンを入手できるはずはない。
誰かが、故意に飲ませているのではないか――推測を重ねた結果、薬科大の学生だという泰人に行き当たる。
そこで、大己は亮介と朋子の病室を訪ねる。
するとそこへ、朋子の荷物を持った泰人がやってくる。
バッグの中から荷物を取りながら、派手なパジャマを妹に渡す泰人。
朋子がそれを恥ずかしがると、兄らしくやさしくたしなめる。
両親はいないというが、それでも仲むつまじい兄妹に、大己も亮介同様、暗い陰を感じることはできない。
その後、玲子らの調査により、ここ半年間、朋子が大腸炎で通院するのは決まって泰人のアルバイトが休みの日であることがわかる。
つまり、泰人は自分が病院に付き添えるタイミングで、妹にペニシリンを飲ませていたと疑えるのだ。
さらに、泰人の大学の薬品庫からペニシリンが持ち出されていたことも発覚する。
朋子の主治医と児童相談所の職員が質すと、泰人はあっさり犯行を認める。
そして、兄妹は一時的に離れて住むことに。
事件は落着したが、大己は泰人の犯行動機がわからず、カレンダーと泰人の犯行について書かれた書類を見比べていた。
そして、意識を集中させるうち、あることに思い当たる。
亮介とともに兄妹のアパートを訪ねた大己は、児童相談所の職員と一緒にいた泰人と対面する。
そして、朋子が家計のために手伝っていたもんじゃ焼き店を、欠勤したことがなかったと告げる。
大己は、その理由を朋子が泰人の犯行をわかっていたからだと明かす。
朋子は、兄のアルバイトが休みの前日に症状が来ることを知っていたから、それに合わせて自分のシフトを組んでいたというのだ。
大己は、泰人が病室にパジャマを持ってきたことがヒントになったと話す。
平日の真夜中に搬送されてきたのに、朋子はなぜパジャマではなく洋服を着ていたのか、と。
搬送されるのを予期していた朋子は、パジャマ姿を嫌い、あらかじめ洋服を着ていたのだ。
同じ頃、休日を終えて大阪へ向かうバスの中で、祐樹は佳奈子がバッグに忍ばせた弁当を見つける。
弁当の中身は、昔、佳奈子が調理に失敗したタコのウインナーやオムライスだ。
以前とは違うのは、それが彩りも盛り付けも美しく仕上がっていることだった。
祐樹は、姉のやさしさに笑顔を見せる。
後日、朋子は病院にやってきた大己にすべてを明かす。
親代わりとなり自分の世話をしてくれた泰人が、半年前、朋子が腹痛を訴えて搬送された病院の待合室で泣いているのを見てしまった。
それまで、暗い顔さえ見たことがなかったのに、看護師に労いの言葉をかけられた途端、堰を切ったように泣き出した兄を見て、朋子は重責を負った兄の苦悩を知ったという。
それ以降、誰かに労われたいと思う泰人は、朋子の食事にペニシリンを盛られるという形で定期的に犯行を行い、一方の朋子もそれを受け入れることにするのだ。
自分を犠牲にしながらも、泰人に感謝しているから、このままでよかったのだと訴える朋子。
そんな朋子に大己は、自分を傷つけてまで泰人を支えることはやさしさではない、と諭すように話す。
そんなところへ、東京を離れることになった泰人がやってくる。
妹を見つめると、自分のしたことを謝罪する泰人。
朋子は気丈な態度で、兄に心配かけないようにもっと強くなると宣言する。
泰人はそれに頷くと、その場を去っていく。
それを見送った朋子は、大己に「ありがとう」とつぶやく――。