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原作:柳沢きみお「特命係長 只野仁 ファイナル」
Jポップの歌姫として絶大な人気を誇る歌手・天海カヲル(金子さやか)をプロデュースし、かつては「世界の有栖川」とまで呼ばれた音楽プロデューサー・有栖川譲二(鈴木一真)。
しかし、彼は現在、極度のスランプに陥っていた。
電王堂がサポートし、近々開催される環境博覧会のテーマ曲を彼が書く予定なのだが、締め切りまで時間がない。
黒川会長(梅宮辰夫)に呼び出された只野(高橋克典)は、さっそく有栖川に接触し、事情を探る。
森脇(永井大)の調査により、有栖川が何者かに脅されていることが判明する。
金の受け渡し場所で待っていた謎の男(ケイン・コスギ)は、只野とも互角に渡り合うほどの腕前だが、そこへなぜかチンピラたちが現れ、彼を襲う。
有栖川の説明によれば二週間前、彼の家に泥棒が侵入し、一本のビデオテープを盗み出したという。
それがあの男だとすれば、チンピラたちはなぜ彼を襲ったのか……。
只野は疑問を深める。
男が残した写真から身元が判明した。
名前は藤堂俊介。
一緒に写っていたのは妹の美咲(阪井あゆみ)。
だが、3年前、彼女は有栖川のプロデュースでデビューする直前、自殺してこの世を去っていた。
只野はそのことを有栖川に問いただすが、彼は「何も知らない」と口を閉ざす。
カヲルによれば、美咲は有栖川にデビューを約束されていたが直前になってそれをキャンセルされ、ショックで自殺を図ったのだという。
生前、美咲が歌っていたストリートの一角に、花を供える藤堂。
そこに現れる只野。
そこへ再びチンピラたちが現れ、藤堂を襲う。
只野は藤堂から託されたビデオテープを検証する。
それは美咲がカヲルのヒット曲を歌う姿が収められていたプロモーションビデオだった。
しかし、有栖川がこのビデオを使って彼女を騙したとしたら、なぜわざわざ手元に残す必要があったのか。
只野はマヤ(はるな愛)のバーで偶然、カヲルのプロモーションビデオを見て何かに気づく。
コンサートでリハーサル中のカヲルを訪ねる只野。
只野は美咲とカヲルのビデオの背景にあるビルの高さの違いを指摘。
美咲のはビルが建設途中だった。
一方カヲルの時はビルが完成している!
つまりビデオは美咲で先に撮影されていた・・・そう、この曲はもともと美咲のために書かれたものだったのだ。
カヲルは3年前、曲を美咲に取られた嫉妬から彼女を自殺に見せかけて殺したことを告白する。
藤堂を襲ったチンピラたちも彼女の差し金だった。
襲いかかるチンピラたちをなぎ倒す只野。
「スターの座に目がくらんで人を殺めるとは、幼稚園からやり直した方がいいんじゃねえのか。大物気取りのスターさんよ」。
カヲルは只野に襲いかかろうとするが、あらかじめ呼び出されていたマスコミたちにアッという間に取り囲まれる。
こうして事件は無事、解決した。
街角。
一人佇みタバコを吸う只野。
だが、足元の歩道には「禁煙」のマークが。
「そんな時代か……」。
只野はそうつぶやくと、森脇の運転する軽トラックに乗り込み、またどこかへと向かうのであった……。