03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
主題歌:中島みゆき「帰れない者たちへ」
原作:松本清張「けものみち」
ジュエリーデザイナーを夢見る成沢民子は、脳梗塞で倒れてから寝たきりの生活を送る夫・寛次を抱え、料亭旅館『芳仙閣』で仲居をしながら生活を支えている。
動くこともままならない寛次は異常に嫉妬深く、民子が旅館で男と遊んでいるのではと疑い、昼間から酒びたりの毎日。
そんな夫に悩まされながら、コンクールに出品するジュエリー作りに励んでいた。
今日も帰宅し、民子の留守中、寛次の面倒を見てくれている女子大生の奈々美にアルバイト代を渡すと、夫とふたりだけの長い夜が始まる。
日々の生活費を稼ぐのに精一杯で、ジュエリーデザイナーとして大成するのかわかったものではない。
出口の見えない毎日に、民子は疲れ果てていた……。
そんなある日、民子は『芳仙閣』の女将・初音に、小滝という魅力的な男性客を紹介される。
何ひとつ詳しいことは明かさず、民子に接近した小滝は、どうやら何かの目的を果たすために民子を選んだらしい。
「ひとつ、行き先のわからない乗り物に乗ってみませんか?」と民子にささやく小滝。
数日後、小滝が総支配人を勤める『ニュー・ローヤル・ホテル』に呼び出された民子は、秦野という弁護士が宝石を買う席に同席させられる。
よく分からない状況に戸惑う民子に、小滝は、これまでのしがらみや過去をすべて消し去る”という条件で、民子を現実という地獄から救い出すと言い放つ。
すべてを消し去る ―― それは、夫・寛次とも別れること。
だが、寛次が簡単に別れてくれるはずはない。
しかし、小滝の「あなたがどうしたいか言いさえすれば、協力する」という言葉に、決意を固めた民子は、ある夜、泥酔した寛次が眠る部屋に灯油を撒き散らし、火を放った……!
その場を後にした民子は、逃げるように『芳仙閣』の小滝がいる部屋へと向かう。
仲居の着物に民子が着替えたのを確認した小滝は、内線電話でお酒の追加を注文。
お酒を運んできた仲居に、民子がずっとこの部屋にいたと思わせるためだった。
翌日、民子の家では現場検証が行われていた。
駆けつけた民子は、捜査中の刑事・久恒から寛次が死んだことを聞かされ、思わず倒れそうになってしまう。
だが、その場にいた奈々美は、そんな民子に冷ややかな視線を向けていた。
さらにその翌日、民子は秦野に連れられ、麻布の大豪邸へと向かう。
だが、秦野は入り口で帰ってしまい、民子は待ち受けていた着物姿の女性、米子に案内され、屋敷へと入っていく。
まず、お風呂へと案内された民子は、入浴後、用意された着物に着替え、米子に案内されるまま、大きな布団が敷いてある主人の部屋へと入る。
あいさつをする民子にゆっくりと声をかける屋敷の主人・鬼頭。
だが、いきなり民子に掴みかかると、布団の上で引きずり回すのだった。
民子の身体をまさぐる鬼頭に、民子は、自分は覚悟をしてこの屋敷にやってきた。
その覚悟を理解してもらえるなら、自分が身をささげてもいいと思える確かなものを見せて欲しいと言い放つ。
数日後、ジュエリーコンクールの会場に、華やかな姿で笑顔を振りまく民子の姿があった。
最終審査の直前に審査員が総入れ替えとなり、民子が大賞を受賞したのだ。
過去をすべて捨てるという約束を破った民子に困惑顔の小滝。
だが、民子は「過去ではなく、未来への始まり」と切り返す。
さらに民子は、都心の高層ビルの中にジュエリーオフィス『マスカレード』を構える。
開店準備の中、窓辺に立ち、東京の街を見下ろす民子。
その眼下には、ビルを見上げる奈々美がいた。
同じ頃、『ニュー・ローヤル・ホテル』には、怪しい笑顔を浮かべる小滝と秦野の姿が……。