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主題歌:GReeeeN「刹那」
東凛大学医学部の解剖室に、男性の遺体が運び込まれる。
法医学ゼミ生の加地大己(瑛太)は、同ゼミ生の石末亮介(生田斗真)、久保秋佳奈子(石原さとみ)、桐畑哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)、教授の佐川文彦(時任三郎)、助教の夏井川玲子(矢田亜希子)とともに遺体の前に立ち、刑事の大和田敏(山崎樹範)から報告を受ける。
死亡したのは35歳の佐野秀一(坂田聡)で、生卵を入れたビニール袋を持ったまま、自宅の近所で倒れていたという。
警察は急性の心臓死を疑うが、佐野の妻・忍(鶴田真由)は、最近までアメフトの選手だった夫が急死するとは信じられない。
そんな中、佐川は佐野の指に感電した痕を見つける。
そこで、大己ら5人は当時の状況を知るため遺体発見現場へ。
しかし、そこは閑静な住宅地で感電が起こるような場所ではなかった。
解剖の結果、佐野は自宅で感電したことが判明。
さらに、感電後に一旦回復し、卵を買いに行き帰宅途中で倒れたことも判る。
その頃、大己と亮介は佐野の家で、忍から話を聞いていた。
昨年、アメフトを辞めてから佐野は家に篭もりがちで、それをふがいなく思った忍は、佐野が亡くなる前日に、結婚したことを後悔するような言葉を口にしてしまう。
しかし、謝る間もなく忍は仕事に出かけ、帰ってみたら結婚指輪を残して夫はいなくなっていたという。
夫を傷つけたことを悔やみ、帰って来たら謝ろうと思っていたが、結局、夫は戻ってくることはなかった。
忍は、夫はきっと自分を憎んでいるだろうと後悔の涙を浮かべる。
後日、佐川は大己に、一度意識が戻ったとはいえ感電した佐野が卵を買いに行くのは、相当に困難な行為だったろうと話す。
さらに、技官・蕪木誠(泉谷しげる)の協力で、佐野の指の爪に残っていた成分が牛乳だったことがわかる。
手には卵、爪には牛乳――佐野は何かを作ろうとしていたのか?
意識を集中し佐野に思いを巡らせた大己は、何かに思い当たると研究室を飛び出して行く。
後を追ってきた亮介、佳奈子とともに大己がやってきたのは、忍のマンションだった。
リビングに通されると大己は、ビデオデッキの中から『クレイマー、クレイマー』のテープを取り出し、佐野は忍と別れようとは思っていなかったと告げる。
大己曰く、佐野は忍との結婚生活を思い返すうち、ふたりの思い出の映画である『クレイマー、クレイマー』を見ようとした。
ところが、ビデオデッキのコンセントを差し込んだ際、漏電していた古いコンセントで感電してしまう。
普通はそこで倒れ込むはずだが、アメフト選手だった佐野は一度意識を取り戻すと、キッチンへやってくる。
フレンチトーストを作るためだ。
しかし、指輪を外し手を洗い料理を始めたとき、卵がないことに気づく。
それで、ふらふらになりながらも買いに出かけたのだ。
料理をしない佐野がなぜ、フレンチトーストを作ろうとしたのか?
それは、『クレイマー、クレイマー』の主人公が家族のために必死に作る料理で、そのシーンが好きな忍がいつか自分にも作ってほしいと言っていたからだ。
大己の話をすぐには信じられない忍に、亮介は冷蔵庫から卵が入っていない作りかけのフレンチトーストを取り出して見せる。
佐野が作ったものだ。
さらに大己は、佐野の元同僚から聞いた話として、佐野が懸命に就職活動をしていたことも伝える。
忍は、卵を入れて完成させたフレンチトーストを食べながら、無口だったが愛情深い夫のことを思い肩を震わせる――。