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出演者:藤木直人木村佳乃夏川結衣渡辺いっけい荻野目慶子南野陽子高知東生石井正則三浦理恵子田丸麻紀余貴美子室井滋小林稔侍

主題歌:藤木直人CRIME OF LOVE

原作:松本清張夜光の階段



房江(余貴美子)に遺書めいた手紙を残し、フジ子(夏川結衣)が失踪した。
その直後、道夫(藤木直人)の母・槙子(柏木由紀子)の容態が急変してしまう。
病室で母を見守る道夫のもとに、フジ子から連絡が入る。
彼女が無事だったことに安堵したのか、槙子はフジ子との短い会話の後、静かに息を引き取るのだった。
フジ子がいるという山中湖へ急行し、彼女と再会した道夫は、裁判ですべてを打ち明けると告白する。
だが、フジ子はそれを受け入れることなく、「どんなことをしてもあなたを守る」と言い残し、自ら湖に身を投げてしまう。
続いて、湖に飛び込む道夫。
だが、助かったのは道夫だけだった。
病院のベッドで目を覚ました道夫は、フジ子の訃報に愕然とする。
しかも、警察は道夫がフジ子を湖に突き落としたと疑っているらしく、フジ子の遺体は検証のため解剖に回されてしまう。
その頃、地検では岡野(石井正則)が心神喪失状態で裁判を続けるのが難しいとの判断が下されようとしていた。
このまま起訴が取り下げられてしまえば、道夫の罪を暴く機会が失われてしまう。
頭を抱える桑山(小林稔侍)のもとに、娘の亜希(田丸麻紀)が、和子(三浦理恵子)を連れてやってきた。
和子に励まされた岡野は表情を一変させ、自分は幸子(木村佳乃)を殺していないと力強く答える。
事件当夜の記憶を取り戻したのだ。
数日後、フジ子と槙子の葬儀が執り行われた。
焼香に訪れた桑山を責める道夫。
そして、裁判は続行されることになった。
美容界のトップに立つという自分の野望を叶えるため、ビューティーナカヤマを継ぐために、早苗(池内淳子)と共にニューヨークへ向かうという意欲を見せる道夫。
それは、すべてを賭してくれたフジ子の想いに報いることでもあった。
ニューヨークへのフライトを夜に控えたその日、すべての準備を終えた道夫は、証人席に着く。
道夫にとって運命の裁判、幸子殺害事件の第7回公判が始まった……。
なぜかスクリーンには、雅子(室井滋)の写真が映し出されており、桑山は雅子が失踪した日、一緒に青梅に行ったかと尋ねる。
さらに、道夫が雅子を殺害したと言わんばかりの質問を続ける桑山に、冷静に答えていく道夫。
続いて、検察側による尋問が行われる。
房江が朗読したフジ子の手紙には、自分が幸子を殺害したと書かれていた。
だが、道夫はフジ子が幸子を殺すはずはないと答える。
自分を救うために書いた嘘だと続ける道夫に、「では、あなたが犯人なの?」と問う房江。
自分ではないと否定する道夫に、桑山は「お前が殺したんだ!」と声を荒げる。
あくまでも幸子殺害を否定する道夫。
幸子もフジ子も自分を応援してくれた。
だから、自分はニューヨークに行かなくてはならないと言い切ったその時、突然、村岡トモ子殺害を告白する道夫の声が流れる。
幸子が遺したパソコンの中に、データが残っていたのだ。
作り話だと誤魔化し、法廷を去ろうとする道夫に、桑山は母・槙子がなぜ道夫に会いに来たのかを問う。
「知らない」と答える道夫。
すると桑山は「敦夫、あんた、やったんだろ」とつぶやいた。
それを聞いた道夫の脳裏に、「あなた、やったよね」という槙子の言葉がよみがえる。
さらに桑山は、「母は正直に罪を告白し、償って欲しかったのではないか。しかし、そのことを言えないまま亡くなってしまった。悲しかろう。親らしいことを何ひとつできなかったからな」と続ける。
それを聞いた道夫は証人席に戻ると、涙を流しながら告白するのだった。
「フジ子は殺していません。他の三人は私が殺しました」
「フジ子は母の魂に誓って殺していない。僕はフジ子を愛した。信じた。そのことを母は本当に喜んでくれていると思う」
道夫はフジ子がずっと大切にしてきたお地蔵様を握りしめながら、涙を流した。
その言葉に房江は安堵し、桑山は「お前とは長い付き合いだったな」と言葉をかける。
道夫の脳裏には、フジ子の「波多野さんも幸子も私も、あなたの野望の光に吸い寄せられた、蝶のようなものだった」という言葉がよみがえっていた。
閉廷後、みな子(荻野目慶子)が早苗に携帯電話で報告をする横を、道夫が通り過ぎる。
道夫は自分の店に向かおうとしていた。
だが、刑事に身柄を拘束されてしまう。
外では、道夫の野望の火を消すかのように、強い雨が降っていた……。

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