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主題歌:安良城紅「Here alone」
原作:松本清張「黒革の手帖」
大手銀行に勤める原口元子は、今日も営業用の笑顔で客に対応し、顔色ひとつ変えることなく大金を動かしていた。
一方、支店長室では支店長の藤岡と次長の村井が、パソコン画面を凝視していた。
銀行の架空名義口座から、1億2千万円もの大金が横領されていたのである。
元子の仕業だった。
村井たちに気づかれたことを知った元子は、そのまま銀行の外へ飛び出し、ほかの銀行に預けていた横領金をすべて引き出すことに成功する。
その夜、銀座の一流クラブ『燭台』に、昼間の制服姿とは一転、煌びやかなドレスを身につけ、ママの叡子と共に客を見送る元子の姿があった。
元子は横領を始めた頃から、この『燭台』でホステス修業を積んでいたのだ。
叡子に「今日からは銀座だけで生きていく」と告げる元子。
元子の手元には、架空名義預金者たちのリストを記録した『黒革の手帖』があった。
必死で返済を求める村井らに、 元子は「このことが公になってもいいなら、私を警察に突き出してください」と答える。
数日後、元子を呼び出した藤岡らは、架空預金者のリストを渡す代わりに1億2千万は不問にするという元子の要求を渋々承知する。
元子の最初の勝利だった。
この日の夜、元子は『燭台』で、大物政治家の秘書・安島と知り合う。
安島は偶然にも、銀行から逃走する元子を目撃していたが、元子は人違いだと答える。
やがて、元子は小さいながらも銀座に念願の店を持つ。
店の名は『カルネ』。
フランス語で手帖を意味するこの店に、『燭台』時代に元子に関心を示した美容外科クリニックの楢林や、楢林が連れてきた大手進学予備校理事の橋田らが顔を見せるようになる。
実は、楢林も橋田も、元子の架空預金者リストに載っている人物だった。
しばらくして、楢林は、元子が『カルネ』のホステスとしてスカウトした波子に入れ揚げ、マンションや毛皮などを買い与えるようになる。
さらには、自分の店を持ちたいという波子に『カルネ』の上階の店を買い与えるまでに……。
店を持つことになったと悪びれずに報告するだけでなく、「ママも先生と寝ればよかったやないの」と言ってのける波子に、元子は思わず手元にあった水を投げかける。
楢林を自分の客だと思っていた元子にとって、これは手酷い裏切りであり、絶対に許せない出来事だった。
さらに、『カルネ』のホステスまで引き抜いていった波子に、元子は復讐を決意。
橋田から楢林に長年愛人関係を続けている女性がいることを聞いた元子は、その女性、市子に電話をかける。
店のホステス・波子が楢林をたらし込んで2億円もの金を貢がせていることを告げた元子は、波子の行為を詫び、是非一度お会いしたいと告げるが……。