出演者:
米倉涼子・
仲村トオル・
若村麻由美・
上原美佐・
田丸麻紀・
田中哲司・
前川泰之・
長谷川朝晴・
星野真里・
吹越満・
東ちづる・
平幹二朗・
佐藤浩市・
網浜直子・
吉川史樹
主題歌:中島みゆき「帰れない者たちへ」
原作:松本清張「けものみち」
鬼頭が食事中に突然嘔吐した。
医師によると、食事に毒物が混入していた可能性があるという。
食事を用意したのは米子だったが、食べさせたのは民子。
秦野は鬼頭の命に別状がないことを確認すると、民子と米子を呼び寄せ、思わせぶりに注意を与える。
「あなたがたどちらかが、嘘をついている…」。
だが、しばらくして意識が戻った鬼頭は、秦野に「お前は動くな」と言い放つ。
翌日から鬼頭家には見舞い客が大勢やってくる。
その中には密かに民子を支援する国会議員・間宮の姿もあった。
なんと芳仙閣で働いていた美代子も一緒だ。
美代子は民子に向かって挑発的な笑顔を見せる。
鬼頭に毒を盛ったのは民子の仕業と疑う秦野は、民子を連れてきた小滝を責める。
だが、小滝は黙って秦野の言葉を聞いているだけだ。
そんななか、ついに久恒が警察に辞表を提出した。
このまま刑事をやっていても鬼頭を追い詰めることはできない。
肺がんに冒され、余命いくばくもないことを悟った久恒の最後の決断だった。
警察を去った久恒は、これまで調べ上げた鬼頭の情報を出版社に持ち込む。
自分が毒を盛ったのではない。
ということは……。
なぜあんなことをしたのかと理由を尋ねる民子に、米子は以前民子からもらったイヤリングを返すと、「けものみち、一度そこに入った者は決して抜け出せない」と謎めいた言葉をつぶやく。
その直後、鬼頭に、風呂場の裏にある薄暗い場所へと連れて行かれた民子。
マジックミラーになっている窓から中をのぞくと、黒谷と米子がいる。
「抱いて」と言う米子をためらうように抱きしめた黒谷は、突然小刀を取り出す。
それは米子を犯人と知った鬼頭の命令だった。
「やめて! やめさせて!」民子の叫びもむなしく、米子は自ら小刀に体を押し付け、美しい笑みを浮かべながら崩れ落ちていった……。
その夜、米子の遺体は黒谷によってどこかに運ばれていった。
オフィスへと戻った民子は、米子の最後の姿と彼女が遺した言葉を思い出し、自分は米子のような生き方はしないと決意を新たにする。
光恵から奈々美が顧客データを持ち出していると報告を受けた民子は、ついに奈々美を解雇。
店を飛び出していく奈々美に民子は、「あなたがいなかったら、もっと前に私はあの人(寛次)と死んでいた」と言葉をかける。
米子が毒を盛った事件以降、鬼頭はますます民子にのめりこむようになった。
そんな民子に危機感を覚える秦野に、小滝は意外な質問を投げかける。
「はっきり態度を決めていただかないと。麻布か、私か……」
数日後、民子は間宮に呼び出される。
「鬼頭には死相がでている」と言う間宮。
「近いですよ。闇の世界の世代交代も。その上であなたはいま、とても都合のいいポジションにいる」と言われた民子は、何かが動き出していることを感じ取る。
一方、自分が提供した情報が週刊誌に載っていないことを知った久恒は、再び編集部へと向かった。
なぜ記事にしないのかと詰め寄る久恒に、編集長は「他に行っても同じことだ」と答え、以前鬼頭に関する取材を行っていた記者が、「キリサワシュウジ」という男を追っていたことを話し出す。
しかも、その記者は行方不明になっているらしい。
彼が残したノートを受け取った久恒は、そこに挟まれていた写真を見て愕然とする。
なんと、そこに写っていたのは紛れもない小滝の姿だった……!
ノートを読み終えた久恒は、出版社にもらった百万円と離婚届を薫に差し出し、「なるべく早くここから出て行け、行き先は誰にも教えるな」と告げる。
驚く薫に「目もくらむような大金作ってきてやる」と言い残し、部屋を後にする久恒。
一方、日に日に弱っていく鬼頭が、自分の財産はすべて民子にやると言い出した。
戸惑う秦野に遺言書を作るように指示し、小滝を殺すようにと言い放つ鬼頭。
同じ頃、『芳仙閣』には小滝と談笑する間宮の姿が。
ふたりは旧知の仲だったのだ。
その夜、鬼頭邸を出ようとしていた秦野に、小滝から電話が入る。
「答えを出していただけましたか?」という小滝に「これから会おう」と答える秦野。
鬼頭の言葉に小滝が心配になった民子は、鬼頭邸を出た足で『ニュー・ローヤル・ホテル』へと向かう。
だが、小滝がいるはずの総支配人室はもぬけの殻になっていた。
しかも、そこにはなぜか久恒の姿が。
「小滝はホテルを辞めた」という久恒の言葉に、民子は……。
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